支柱を立てるかどうか、
伸びた蔓を見ながら考える

蔓が伸びてきても、支柱は必ずしも立てなくて構いません。 上に向かわせたいのか、そのまま垂らしたいのか。 決めているのは蔓の長さではなく、その鉢を置いている場所のほうでした。

蔓を伸ばしはじめたポトスの葉

気づいたら、蔓が一本だけ長くなっていました。 葉と葉の間隔が広がって、先のほうが宙に浮いている。

支柱を買うべきだろうか、と検索しかけて、やめました。 その前に、この鉢をどこに置いているのかを見るほうが早い気がしたからです。

先に決めるのは、上か、下か

支柱を立てるというのは、その株を上に伸ばすと決めることです。 立ち上がった姿は葉の一枚一枚が正面を向くので、 背の低い台や床に置いた鉢を、目線の高さまで持ち上げてくれます。

反対に、本棚の隙間に置いた鉢のように、 すでに高さのある場所にあるなら、垂らしてしまったほうが収まります。 棚板の縁に沿って蔓が下りていく形は、支柱を立てるより手がかからないし、 場所も取りません。私の家では、こちらのほうが多い。

つまり支柱が必要かどうかは、蔓が伸びたかどうかではなく、 その鉢の置き場所に上へ伸びる余白があるかどうかで決まります。 テレビの上や本棚の中段など、天板まで数十センチしかない場所なら、立てても行き先がありません。

立てるなら、早いほうがいい

上に伸ばすと決めたなら、蔓が長くなりきる前のほうが楽です。 若い蔓はまだやわらかいので、支柱に沿わせても素直に曲がってくれます。 長く垂れたまま何ヶ月か置いたものを持ち上げようとすると、 付け根のあたりが固まっていて、無理に曲げれば折れます。

高さは、いま伸びている蔓と同じか、一回り上まで。 水耕の容器に挿すときは、容器の深さの分だけ短くなるので、そのぶんを足して選びます。 器の直径の三倍を超える高さにすると、上が茂ったときに倒れやすくなるので、そこは超えないようにしています。

留めるのは麻ひもか、やわらかいタイ。 蔓と支柱のあいだに指が一本入るくらいの余裕を残して、ゆるく結びます。 きつく締めた年があって、茎に跡が残りました。 新しい葉が伸びるたびに結び目を足していけばいいので、 最初に全部を留めきる必要もありません。

立てないまま、置いている鉢のこと

それでもいちばん多いのは、何もしないという選択です。 伸びた蔓を、そのまま伸ばしておく。

長くなりすぎて床に触れそうになったら、そこで初めて手を入れます。 支柱を立てるか、先のほうを少し切るか。 切ったほうは水に挿しておけば根が出るので、 結果としてもうひとつ鉢が増えることもありました。

支柱という道具は、植物を支えるものというより、 この株をどういう姿にしておきたいかを自分で決めるための、きっかけに近いのだと思います。 立てるか立てないかを迷っているあいだも、蔓は伸びている。

支柱を選ぶ前に決まっているのは、たいてい、その鉢を置いている場所のほうだった。

結局その一本は、立てませんでした。 棚の縁から少しずつ下りていって、いまは二枚目の葉が ちょうど本の背表紙の高さに並んでいます。

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